金澤詩人賞

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2013年度

受賞者 青柳理紗氏 受賞作品 「甕の中」

プロフィール

19481218日鹿児島県鹿屋市で生まれる

母が双葉という響きがお気に入りの飾磨双葉幼稚園に入園3才

父の死7才 家を出る19才 母の死52才

「青柳理紗」という秘密の部屋で今まで誰にも話せなかった罪状を書くことで謝っている。

現在大阪在住

 

2014年度(2名)

・受賞者Greg Goldenzweig氏 受賞作品「食べ散らかしたあとで」他4篇

プロフィール

京都府出身。翻訳者。Macquarie University Master of Arts卒業。

日本語での詩作に加えて英語での創作活動も行なっている。

2014年末オーストラリアから帰国。受賞時28歳。

 

・受賞者 向井順子氏 受賞作品「フィレンツェ便り」と詩5篇

プロフィール

水彩画家。学習院大学文学部仏文学科卒業。専業主婦を経て渡伊。彫金師見習い、画家見習いの後、2000年フィレンツェに水彩画工房を構える。2010年工房移転。ミケランジェロ広場近くの三坪スペースで絵を描く日々。受賞時41歳。

 

2015年度

受賞者 上田康広氏 受賞作品「夜の音」他7

プロフィール

愛媛県松山市生まれ。小・中・高を現在の北九州市若松区で過ごす。

九州大学中退。山口大学卒業後、大阪府職員。

退職後、俳句、詩などを作る。

好きな作家、火野葦平、石垣りん。

現在、奈良県在住。受賞時72歳。

 

2016年度

受賞者 百瀬以知子氏 「金澤詩人」4号〜12号までの全作品

プロフィール

19902月生まれ。広島県福山市出身。中学一年生の終わりから大学を二年生で中退するまで、学校や同級生に適応できずに過ごす。自殺未遂などを乗り越え、現在に至る。音楽を聴くことが三度の飯よりも好き。

好きなミュージシャン・モリモトナオユキ

 

詩に対する思い

「自分のような思いをしている人に、共感してもらいたい」という思いで中学二年生から詩を書き続けています。詩の向こう側にいる誰かに「自分と同じ気持ちの人がいる」と思ってもらえたら、それに勝る幸せはありません。こころの深いところにあるものを取り出して、言葉にすることが、今の私の幸せです。

 

2017年度 受賞者 Eli in church

プロフィール

都内在住。受賞時22歳。中学卒業後、2年間の空白を得て高卒認定取得。

 

【受賞の言葉】
詩、という言葉はまず最初にリノウムの床を連想させます。それから、七つか八つの頃、夜明け前の病院に連れられたことがありますが、白衣を被った医療器具、暴れる患者が壁を殴り天井から舞い落ちる粉塵、よく磨かれた上で暴力性に欠ける丸みを帯びたスプーン、そういったものたちが密かに交わし合う言葉は単なる会話ではなく詩そのものだったのだと気づいたのは、自分が筆を執って暫くしてからのことでした。一見言葉を持ち得ないと思われているそれらの物体が、或いは亡くした金魚や妄想に埋め込まれた蝋梅が、これを読んでくださる方にど
れだけ立体的に、豊かに、または朧げに、萎れて見えるか、私にはまだわかりません。人それぞれの感性があります。けれど祈ることがあるとしたら一つ、脈のはやすぎるあなたの心臓に束の間でもやすらぎや憩いが与えられますよう。この度はありがとうございました。

 

2018年度 受賞者 阿部静雄氏

      ――プロフィール――

1945年生まれ

静岡県 沼津市出身 ニューヨーク在住

大学を卒業後、出版社玄光社に入社。だが、高校時代からの日本を飛び出したい内面の促しが

米国の地を踏ませることになった。当地では長い間、日系企業に従事。引退後は文学と哲学に専心、今日に至る。

詩作を始めたのは2015年。

 

――受賞の言葉――

このたびは栄えある金澤詩人賞を賜り、心より御礼申し上げます。

私には思索の経験はありましても、私の会社人生におきましては詩作の経験はゼロでした。

それが、引退と共に、胸の内にあるものをいつか吐き出したい気持ちで私は逡巡していました。そのような時に、思いがけず、金澤詩人を知ったのです。そして、発表の機会を与えて頂きました。ゼロから出発した私は、ともかく、吐き出したいことの願望で、それを、「徒然日詩」として、私の誕生日を開始日として、T年間、毎日、詩作を続けたのです。

その結果、嘔吐になったものと言えば、私という自身の暗い内面でした。それでも、幼年時代を遡りますと、私は孤独な太陽の賛歌を全身に浴びました。うれしかった。まるで私は、巻いては活動を始めるゼンマイ仕掛けの一個の時計の存在のようでした。そうしているうちに、私は、詩作の楽しみとは、その時計を、ふと思ったこと、頭に浮かんだことなどに沿いながら動かせたり、あるいは狂わせたりできる自由ではなかろうかと、思ったのです。今では、その楽しみが私の暗い内面を少しでも明るくしているように思えます。

今回の受賞が再度、ゼンマイを巻きなおし、詩作を続けるうえで大きな励みとなりましょう。ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

 

 

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