金澤詩人 NO12
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55 五十年後の同窓会 金田君がいたことを話しても 誰もが忘れたと声をあわせる 僕がゴム靴をどこかに置き忘れたように 今でもいがみ合う半島の人たち 金田さんがあの日の痛みに震えたのは 僕は決して忘れはしない 金田君に 新品のゴム靴を返すときを

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